受賞者

令和4年度<風戸賞> 受賞

※研究者の所属等は受賞時点のものです

授賞課題:脂肪滴の核内での形成機構と生理機能の形態学的解析

札幌医科大学 医学部 教授
大﨑 雄樹

大﨑雄樹氏は、一貫して脂質に関連した細胞生物学的研究を推進してきました。細胞内の脂肪滴がリン脂質一重膜により包まれたユニークな細胞小器官であり、多彩な生理機能を持つとともに、ある種の疾患とも密接に関係があることを明らかにしました。最近は、従来ほとんど未解明だった、核内に存在する脂肪滴の形成過程や調節機構を明らかにするとともに、そのユニークな生理的役割についても研究を発展させています。

研究にあたっては、多彩な分子細胞生物学的手法を用いています。すなわち、遺伝情報を活用した分子生物学的解析や生化学的解析、細胞内での脂質や関連タンパク質の分布や動態のイメージングによる解析などを総動員しています。特に、生体内分子の分布局在や動態を、蛍光抗体法などの光学顕微鏡法と、TEMによる超微形態観察や免疫電顕法を多角的かつ有効に活用して解析しています。多彩な免疫電顕法や光-電子相関顕微鏡法などの電子顕微鏡法によって得られた脂肪滴やそれと関連する分子に関する情報は、核内脂肪滴形成や生理的意味を解明する本研究において重要な役割を果たしています。

大﨑雄樹氏は、名古屋大学の藤本研究室では、助教、講師、准教授として15年以上にわたり、細胞内に存在する脂肪滴の形態、分子構築、機能についての研究で重要な役割を担い、この分野のパイオニア研究者の一人として活躍してきました。その研究成果や総説は、国際一流紙に掲載されています。大﨑雄樹氏は、2021年には独立した研究室を立ち上げ、さらに研究を発展させることが期待されている若手研究者です。

よって、これらの成果に対して、ここに風戸賞を贈呈します。


https://web.sapmed.ac.jp/anatomy1/index.html

大﨑雄樹
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